この記事は、「高校生物」の計算・グラフ・実験・考察の定番問題をまとめたものになります。当サイトで公開しているものを紹介しますが、管理人が解説記事を作成できていないものに関してはテーマの名前だけ挙げておきます。もし、知らないテーマがあった場合は、Googleで検索したり問題集のなかから探してみたりして勉強するとよいでしょう。
高校生物だけで計算・グラフ・実験・考察の定番問題は100問近くあるのではないでしょうか。当サイトでも、解説記事の作成は随時行っていきたいと思います。
管理人の主観と経験で“定番問題”として紹介していますが、この記事は点数を保証するものではないことをお断りしておきます。この記事だけを鵜呑みにせず、学校や塾など他のところからも情報を仕入れましょう。
なお、生物基礎の計算・グラフ・実験の問題解説を知りたい方は、下の生物基礎版まとめ記事をチェックするとよいでしょう。こっちの方は、8割方しっかりとしたまとめ記事になっています。
記事公開済みの内部リンク一覧
第1章「細胞と分子」
細胞分画法の実験(生物基礎版の発展)
※再編集するために記事を非公開にしています。
“生物基礎”でも発展問題として登場しましたが、“高校生物”では典型問題として登場します。細胞分画法の実験の問題はほぼパターンなので、解いて自分の力にしているのであれば、ほぼ問題ないと思います。ただし、ミトコンドリアや葉緑体は、次の単元の「代謝」などの他の単元とのつながりもあるので、まれに分野横断的な問題もあることが注意点です。日常学習で分野横断的な学習も行っていると、安易なミスに気づきやすくなるでしょう。
酵素反応速度のグラフの問題
※再編集するために記事を非公開にしています。
生物基礎で軽く登場した酵素ですが、高校生物ではがっつり学ぶことになります。酵素の構造や働きに加えて、反応速度というテーマも入試で頻出です。酵素反応速度のグラフには、“基質濃度と反応速度のグラフ”と“反応時間と生成物量のグラフ”があるので、両者を間違えないように理解しておくことが必須だと言えるでしょう。
遺伝子の再編成(免疫)の計算と典型論述
高校生物でも免疫が登場します。生物基礎では免疫は大筋だけでしたが、高校生物ではタンパク質や遺伝子の話が入って、より深く学ぶことになっています。ここで紹介する“遺伝子の再編成”は、抗体である免疫グロブリンの多様性を生むメカニズムです。“遺伝子の再編成”の問題では、計算問題と典型論述問題がよく問われるので、その点を記事で問題解説してみました。
第2章「代謝」
見かけの光合成速度のグラフと物質量計算
代謝の単元で登場する光合成ですが、入試では見かけの光合成速度のグラフが物質量計算とともに登場します。見かけの光合成速度自体は生物基礎の内容ですが、化学基礎を学んだ前提で物質量計算の問題が出るのでしょう。化学反応式は光合成のものを使えばよいですが、初めて解く人は時間がかかり、計算ミスをしてしまいがちです。頻出問題なので、慣れておくことが望ましいでしょう。
呼吸と発酵の計算問題(基本編)
※再編集するために記事を非公開にしています。
光合成と同じく、呼吸と発酵も物質量の計算問題が登場します。物質量計算だけならまだ簡単なのですが、データの読み取りが難しいので、慣れていないと難易度は高いです。上の記事はあくまで基本編なので、大学入試ではもっと難しい問題が登場すると思ってもらった方がよいです。いつか応用編の記事もつくりたいなとは思っていますが、これを機に自分の持っている問題集の難しい呼吸と発酵の計算問題に取り組んでみてはいかがでしょうか。
キューネ発酵管の実験
キューネ発酵管の実験では酵母を発酵させて二酸化炭素を計測することができます。この実験が開発された年代はけっこう前ですが、現課程の教科書でも実験要素として記載があります。定期テストや入試問題で登場するときは実験器具や実験方法が主に問われますが、発酵の物質量計算も合わせて登場する可能性があります。
第3章「遺伝情報の発現」
DNAの計算問題(生物基礎からの引き継ぎ内容)
DNAの計算問題というテーマでは様々なものがありますが、生物基礎で習得した内容も高校生物では出題範囲になっています。計算慣れしていないと難しいので、演習して理解しておくことをおすすめします。
半保存的複製の実験・図・計算の問題
現課程の教科書の構成ではDNAの分子レベルでの挙動に重きが置かれており、半保存的複製は一世代前までの事項となっているように感じます。ですが、問題集でも普通に登場しますし、入試でも現役のようです。一方で、数年前の大学入試問題正解生物では「見かけられなくなってきた」と書いてありましたので、今後はマイナーなジャンルになるのかもしれないですね…。
原核細胞の転写と翻訳の図の読み取り
基本問題ではありますが、理解するのが難しいテーマです。特に、転写と翻訳が同時に起きていることを頭の中でイメージすることは至難になります。問題を解く上で必要なスキルではありませんが、動的に理解することがこの問題を理解で解くポイントだと、管理人は思っています。
ブルーホワイトセレクションの実験
ブルーホワイトセレクション(青白選択)は、大腸菌の遺伝子組換え技術の1つです。発展的な内容ではありますが、教科書によっては載っている&入試問題で登場するメジャーなテーマになっています。基礎的な問題集では見かけないので、ここで演習してみるとよいでしょう。
第4章「生殖」
伴性遺伝と家系図の遺伝
伴性遺伝と家系図の問題です。伴性遺伝そのものは高校生物は出てきませんが、入試問題で頻出の遺伝のテーマです。また、問題によっては、家系図の遺伝の要素も加わります。解き方がわかればシンプルなので、早々に伴性遺伝と家系図の問題パターンを覚えてしまうのがよいでしょう。
ちなみに下の記事では、ABO式血液型の伴性遺伝の問題を紹介しています。
ABO式血液型に関しては、遺伝子頻度の問題も登場します。ページ下部で紹介しているハーディー・ワインベルグの法則と遺伝子頻度の記事に追加問題として掲載しているので、参考にしてください。
連鎖・組換え価
連鎖・組換え価と連鎖・検定交雑の基本問題です。高校生物での遺伝の問題のスタートは連鎖と組換え価からになります。メンデル遺伝は中学理科で学んだ前提になっているので、最初に習うときに戸惑う学生は多いです。この記事で基本をおさえて、続く問題の基礎固めにするとよいでしょう。
連鎖の伴性遺伝
連鎖に伴性遺伝の要素が加わった応用問題です。記事タイトルに載せていますが、難易度はかなり高いです。それでも大学入試では度々見かける要素なので、偏差値の高い大学を受験しようと思っている方は、この問題にチャレンジしてみるとよいでしょう。
三点交雑・染色体地図
連鎖・組換え価の基本問題に三点交雑と染色体地図の要素が加わった応用問題です。三点交雑や染色体地図は発展内容になっていますが、大学入試には普通に登場します。特に、染色体地図に関しては作図が求められる場合があるため、解答の仕方を習得していることが望ましいです。
※メンデル遺伝を基本から学びたい人向けのまとめ記事
中学理科で学ぶメンデル遺伝の基本から高校生物の遺伝の問題までをまとめた記事になります。上記の記事の内容を理解できなかった方は、もう一度メンデル遺伝を学びなおすことをおすすめします。このまとめ記事では基本から発展、さらに旧課程生物Ⅰのさまざまな遺伝の問題まで掲載しているので、わからないものをチェックしてみましょう。
第5章「生物の環境応答」
盲斑の測定実験の計算問題
ヒトの眼の盲斑について測定する実験が、高校生物の教科書にはあります。実験にかかる時間は1分もかからない非常に簡単なものですが、その実験結果をもとに“盲斑と黄斑の距離”や“盲斑の直径”を求めることに数学的な知識を必要とします。初見だと難しいので、一度解いて経験にしておいた方がよいでしょう。
神経の伝導速度・伝達時間などの計算問題(+図の問題)
神経の伝導と伝達に関しては、速さや時間を計算して答える問題が頻出です。速さ・時間・距離の公式は(おそらく)小学校算数or理科で習っているので、昔のことすぎて忘れていることも多々見られます。そういう意味では分野横断的なので初見では難しいですが、解き方を理解できさえすれば、容易に解くことのできるテーマになるでしょう。
筋肉の張力のグラフと計算の問題
高校生物では筋肉の構造や収縮のしくみを習いますが、発展問題として張力の計算問題があります。難易度はかなり高めで、初見でこの問題を解くことはかなり難しいでしょう。なので、演習する価値はあると思います。
余談ですが、ある県の教員採用試験で出題されたことがあります。私が過去問を見ていたときに遭遇したのですが、教員採用試験(高校理科)の専門教養は難易度が高いのだなと実感しました。
ミツバチの8の字ダンス
上の記事では、ミツバチの“8の字ダンス”をアニメーション(管理人制作)で紹介しています。アニメを脳内再生することは難しいと思うので、少し観てみるとよいでしょう。
第6章「生物群集と生態系」
物質の生産と消費(栄養段階の物質収支)の計算
このテーマは生物基礎では発展内容ですが、高校生物は普通に習うものです。〇〇量という単語が多くて覚えるのに苦労しますが、大学入試ではさらに計算問題として登場します。初見だとかなり時間がかかるので、慣れて素早く解けるようになることが望ましいです。
第7章「生物の進化と系統」
ハーディー・ワインベルグの法則と遺伝子頻度の計算
遺伝子頻度の問題はメンデル遺伝の考え方を使うので、初めて習うときは理解に苦しむ人が多いです。また、遺伝子頻度の問題のパターンは複数あるので、その分だけの演習が欠かせません。この記事をつくった段階では内容が足りなかったので、あとで気付いた要素を問題解説後に追加しています。
分子進化(分子時計)の計算
※再編集するために記事を非公開にしています。
進化に伴いアミノ酸配列が変化しますが、それにかかる年数などを計算する問題がこのテーマのパターンです。高校生物で登場する計算問題では最後のテーマとも言えます。解き方を覚えて本番で解けるようになりましょう。センター試験レベルでも登場するので、要チェックです。
上記で公開できていない高校生物定番問題一覧
第1章「細胞と分子」
- 生物体の構成の円グラフ
- 酵素反応の対照実験
- 浸透圧の計算
- 細胞膜の選択透過性のグラフ
第2章「代謝」
光合成
- 光の波長と吸収のグラフ
- ペーパークロマトグラフィーと薄層クロマトグラフィーの実験
- 明反応と暗反応のグラフの読み取り
- カルビン・ベンソン回路における炭素の取り込みの実験
呼吸と発酵
- 呼吸と発酵の化学反応式と物質量計算(応用編)
- メチレンブルーの実験(ツンベルク管の実験)
第3章「遺伝情報の発現」
- 原核生物のDNA複製時間の計算
- 複製方向の図の読み取り
- DNAの転写・翻訳、および突然変異が起きたときのアミノ酸配列
- スプライシングの計算
- オペロン説のグラフ
- 一遺伝子一酵素説の図の読み取り
- コドン解析の実験問題
- 制限酵素によるDNAの切断、および切断部位の図の読み取り
- 電気泳動の図や計算
- 遺伝子組換えの実験問題(薬剤耐性遺伝子を2つ使う問題)
- PCRでn回後の遺伝子断片増幅量の計算
- DNAの塩基配列の解析(サンガ-法など)
第4章「生殖と発生」
生殖
- 減数分裂時のDNA量グラフや分裂過程の図の読み取り
- トレニアの受精の実験考察問題
動物の発生
(準備中)
植物の発生
- ABCモデルの突然変異の実験
第5章「生物の環境応答」
動物の反応と行動
- 視神経切断時における左右眼球の視野の変化
- 暗反応時のグラフ
- 神経の電位のグラフの読み取り
- 筋収縮のグラフの読み取り
- 筋原線維の構造の図の読み取り
- 筋肉の収縮と興奮の伝導・伝達時間の計算
植物の環境応答
- 光発芽種子に赤色光・遠赤色光を照射して発芽を調べる実験
- オーキシンの極性移動の実験
- 根・芽・茎におけるオーキシン濃度と成長促進・抑制のグラフ
- 屈性の実験
- 花芽形成の日照時間のグラフ
- 接ぎ木による花芽形成の実験
- 長日植物・短日植物の図の読み取り
第6章「生物群集と生態系」
- 区画法の計算
- 標識再補法の計算
- 密度効果のグラフ
- 成長曲線のグラフ
- 生存曲線のグラフ
- 生命表のグラフと計算
- 縄張りの大きさのグラフ
- 群れの大きさのグラフ
- 個体群の相互作用のグラフ
- 生産構造図のグラフ
- 血縁度と適応度の計算問題
総括+おすすめ問題集
管理人の主観でピックアップしましたが、その量に驚いたのではないでしょうか。生物基礎と違って高校生物での計算・グラフ・実験・考察の定番問題の量は非常に多いです。それらの問題だけを中心的に特訓したい場合は、手持ちの問題集の問題にマーカーを付けたりするなどの工夫をすることがよいでしょう。なお、生物基礎も含みますが、以下の市販の問題集を買うのもありだと思います。
遺伝の問題だけに特化した一冊もあります。
本ならば学校に持参しても問題ないはずです。習得すべき項目を早めに調べ、時間があるうちに生物スキルを磨きましょう。
最後に伝えたい一言
これらの定番問題を習得するには、かなりの時間が必要です。大学入試を意識している方は、早めに意識して取り組むことが大事だと思います。あるいは希望している大学に合格するためのラインを意識して、“妥協する”ことも大切です。センター試験や筆記試験で何割を取ればよいかを最初に決めて、そこから逆算して演習量を決めましょう。時には問題を切り捨てることも大事です。
一歩一歩着実に、そして戦略的に合格を勝ち取りましょう!
おわりに
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以上でこの記事は終わりです。ご視聴ありがとうございました。
生物がマイナー科目なのもあるかもしれませんが計算問題だけをここまで具体的にまとめてくださってるサイトはみたことがないです、本当にありがとうございます!
あ 様
閲覧およびコメントありがとうございます。
あ様の勉学のお力添えができて、嬉しく思います。
「高校生物」の方は一覧にしているだけでほぼ全く解説ができていないことが申し訳ないです。
また、管理人の見落としや時代の変化に伴う傾向変化もありますので、身近な教え人を頼ることもよいかと思います。
あ様の益々のご発展を願って、締めとさせていただきます。
管理人シカマルより