第1章「細胞と分子」

「高校生物」遺伝子の再編成(免疫)の計算と典型論述の問題の解き方

遺伝子の再編成(再構成)”という用語は、「高校生物」第1章“細胞と分子”の免疫の部分で登場します。今回は、この“遺伝子の再編成”の典型的な計算と論述の問題を用意したので、是非チャレンジしていってください。問題を解いたら、後述の解答と解説も見ましょう。

問題

では、まず問題を解いてみましょう。下のスライドが問題用紙になります。標準解答時間は20分です。20分経っても解けなかった場合は、解答と解説を見ましょう。

スライド1:遺伝子の再編成の計算・論述の問題スライド1:遺伝子の再編成の計算・論述の問題

解き具合はどうだったでしょう。図示、計算、長文論述と、かなり難易度が高かったと思います。しかし、“遺伝子の再編成”では、これくらいの難易度が普通です。以下の解答・解説を見て、理解を深めましょう。

解答

解答は、下のスライド2とスライド3のようになります。

スライド2:遺伝子の再編成の問題の解答(図以外)スライド2:遺伝子の再編成の問題の解答(図以外)
スライド3:問2の図(抗体の図示)スライド3:問2の図(抗体の図示)

解説

問1.免疫グロブリンと答えるだけ!

この問題は知識問題です。免疫グロブリンという生物基礎でも登場した生物用語を答える問題でした。

“抗体は、免疫グロブリンというタンパク質でできている”とだけ覚えていれば、答えることができたと思います。

問2.抗体は図示できるようになっておこう!(二次対策)

この問題は描写問題です。抗体、つまり免疫グロブリンの模式図を描写する問題でした。

スライド3のように図示できていれば、全く問題ありません。いくつかあるポイントを解説すると、

  • 可変部と定常部が異なることが描かれていること。
  • 可変部の先端が、抗原結合部位だと描かれていること。
  • H鎖とL鎖がそれぞれ描かれていること。
  • S-S結合が4か所描かれていること。
  • 図(免疫グロブリン)が、Yの字状に描かれていること。

というようなかんじです。

二次試験では、抗体の模式図の描写問題も登場します。教科書の図を見て、何度か描いて練習しておくとよいでしょう。ちなみに、二次試験では鉛筆しか用いることができないので、色は塗りつぶしを用いるとよいと思います。S-S結合は4本あって矢印を伸ばしにくいですが書いておきましょう。

問3.意外とわかっていない人が多い問題!

この問題は知識問題でした。

抗体を産生する1つの細胞(B細胞)は、1種類の抗体しか産生することができない”ことがポイントです。成熟したB細胞は、1種類の抗体しか産出できません。なので、体の中にある多様な抗体は、それだけ多様で異なるB細胞がそれぞれ産出・分泌していることになります。

ちなみにポイントは次の問4で登場した“遺伝子の再編成”というしくみになっています。

問4.典型論述なので書けるようになろう!

この問題は典型論述問題です。200文字以内とかなりの長文を求められましたが、典型的なので慣れれば簡単に部分点を取ることができます。

論述の要点となる“遺伝子の再編成(再構成)”とは、複数の遺伝子群から遺伝子断片がランダムに1つずつ選ばれて、遺伝子が再び編成されることを指します。図で表すと、次のスライド4のようになります。

スライド4:遺伝子の再編成の具体的な図スライド4:遺伝子の再編成の具体的な図

この遺伝子の再編成により、ヒト遺伝子22,000程度に対して、106程度の種類の可変部ができることになり、遺伝子の数よりもかなり多い種類の抗体が産出されることになります。

では確認の意味で、改めて今回の答えを見てみましょう。

B細胞が成熟する過程で、H鎖ではV断片、D断片、J断片の、L鎖ではV断片とJ断片遺伝子群からそれぞれ1つずつ遺伝子がランダムに選ばれたのちに、定常部の遺伝子と連結して、H鎖遺伝子、L鎖遺伝子が完成する。このような遺伝子の再編成によって、細胞ごとに異なる免疫グロブリン遺伝子をつくり出し、多様な免疫グロブリンタンパク質の合成が可能になる。

下線で引いたところがポイント(部分点の対象)になります。

200字の論述は、高校生物の記述試験では文字数がかなり多い方になります。なので、わかる範囲のことを書いて部分点を狙うことが大事です。変に意識して文字数を埋めることを考えるよりも、自分の知っていることを書いて確実な部分点を取るようにしましょう。

教科書を見ると、“遺伝子の再編成”という語句が見られない場合があります。それでも入試では頻出のテーマなので、“遺伝子の再編成”あるいは“遺伝子の再構成”という単語を覚えておくことが望ましいでしょう。

問5.日本人の研究者なので必ず覚えておく!

この問題は知識問題です。“遺伝子の再編成”を解明した日本人研究者である“利根川進”を答える問題でした。

教科書に登場する日本人の研究者は、必ず覚えておいた方がよいです。以下、いくつか紹介しておきます。

  • 山中伸弥:iPS細胞の発見
  • 利根川進:遺伝子の再編成の解明
  • 木村資生:中立説の発表
  • 岡崎令治:岡崎フラグメントの発見
  • 下村修:GFPタンパク質の解明

問6.遺伝子の再編成の計算問題!

この問題は計算問題です。遺伝子の再編成で理論上の抗体の種類を計算する問題でした。

計算は、数学の組み合わせと同じで、

  1. H鎖の可変部は、“40×23×6”通り
  2. L鎖の可変部は、“35×5”通り
  3. よって、“(40×23×6)×(35×5)”通りが抗体の種類になる。

といった具合です。計算すると、966,000となるので、有効数字3桁に合わせて、

解答:9.66×105

と答えましょう。

遺伝子の再編成の計算は、単純に組み合わせを計算するだけにも関わらず、意外と多くの高校生が初見で解くことのできない問題です。これを機に解けるようになっておきましょう。

総括

遺伝子の再編成というテーマはそこそこ難しいので、得意としている高校生はあまり多くありません。しかし、計算は組み合わせを行うだけで論述も典型問題なので、少し慣れればある程度得点できるようになります。決して敬遠せず、7割方取れるくらいのつもりで勉強しておきましょう。

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