塾講師経験のある管理人が、受験生に向けて、どんな高校生物の遺伝の問題を解いておくべきかをここで紹介します。
本記事で紹介している『遺伝の問題』は、『遺伝子の問題』とは異なります。『遺伝の問題』は、旧課程生物Ⅰのメンデルの遺伝の法則関係と現課程高校生物の第4章“生殖”に登場するテーマです。対して『遺伝子の問題』は、現課程では、生物基礎第2章“遺伝子とその働き”と高校生物第3章“遺伝情報の発現”に登場するテーマです。この2つを混同しないようにご注意ください。
はじめに
この記事で対象としている受験生は、
- 理系で「生物」を大学入学共通テストや二次試験で選択する。
- 看護系で一般入試で生物を限定的に選択(生殖・発生を含む場合)する。
のような方です。
このような方に向けて、サイトの内部で作成済みの解説を、リンクとして貼っておきます。リンクがない場合は、Googleなどで外部サイトを探したり、問題集や資料集を見てみたりしましょう。
なお、この記事は未完成ですが公開しています。更新をしていきますので、気になる方はブックマークしてください。
注意点
従来使われてきた遺伝の法則の用語「優性・劣性」は、「顕性・潜性」に変わります。
教科書にない基本事項
一遺伝子雑種の交配
理系、看護系ともに必須。
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遺伝の問題を学ぶとき、その一番初歩になるのは一遺伝子雑種の交配になります。遺伝の問題が全くわからない方はここから勉強を始めてほしいですし、またある程度分かる方に対してはこの紹介記事の問5を頭の中で一瞬で解く能力を身につけてほしいと思います。この能力は、二遺伝子雑種や連鎖のときに素早く問題を解く上で役に立つので、基本をしっかりと習得しましょう。
一遺伝子雑種の検定交雑・自家受精・自由交配
理系、看護系ともに必須。
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一遺伝子雑種の交配ができるようになったら、次はその発展問題に臨みましょう。まずは検定交雑に取り組み、次いで発展である自家受精と自由交配を解けるようになりましょう。検定交雑の基本は、二遺伝子雑種や伴性遺伝、連鎖にもつながってきます。また、自家受精と自由交配の違いを理解することは難しいので、しっかりと理解することが大事です。
二遺伝子雑種の交配と検定交雑(独立の法則のみ)
理系、看護系ともに必須。
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一遺伝子雑種ができるようになったら、次は二遺伝子雑種です。この記事では、メンデルの法則の1つである独立の法則の場合のみに限った交配と検定交雑になります。二遺伝子雑種の基本なので、できるようになりましょう。解けるようになったら、連鎖の関係にある二遺伝子雑種の問題に取り組むのがよいと思います。
一遺伝子雑種の伴性遺伝
理系、看護系ともに必須。
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伴性遺伝とは、性に伴う遺伝形式のことです。ヒトやショウジョウバエはX染色体とY染色体を持っており、問題の形式としてはX染色体上に遺伝子がある場合が多いです。伴性遺伝単体として見かける場合もあれば、ここで紹介したように家系図の問題として登場する場合もあります。
複対立遺伝子:ABO式血液型の遺伝
理系、看護系ともに必須。
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高校生物での複対立遺伝子は、だいたいの場合はABO式血液型のことを指します。遺伝子Aと遺伝子Bは対等の優性遺伝子で遺伝子Oは劣性遺伝子というような、対立遺伝子が3つ以上の場合を複対立遺伝子と呼びます。ABO式血液型の遺伝の問題の定番は、家系図の問題です。紹介している記事の問題①が家系図の問題なので、演習してみるとよいでしょう。
高校生物の内容(連鎖と組換え)
連鎖と組換え価の基本、および連鎖と検定交雑
理系、看護系ともに必須。
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高校生物では、遺伝の問題は“連鎖”から始まります。この記事では、その連鎖の初歩の問題と、教科書では触れられていない連鎖のときの検定交雑を解説しました。上記のメンデル遺伝の基本がしっかり理解できている方は、ここから勉強すればよいと思います。
三遺伝子雑種で独立と連鎖の両方が絡む問題
理系、看護系ともに必須。
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見出しの文章だけ見ただけでは内容が伝わらないと思いますが、リードαやセミナーでは発展内容となっている難しいテーマです。遺伝の問題の総仕上げのような問題で難易度が高いですが、それでも入試では普通に登場します。紹介している記事では三点交雑や染色体地図なども掲載しているので、是非解いてみてください。これが解ければ、遺伝の問題の演習を卒業するのは目前です。
二遺伝子雑種の連鎖の伴性遺伝
理系、看護系ともに必須。
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性染色体に二遺伝子が連鎖している伴性遺伝の問題です。参考書や問題集ではあまり見かけませんが、難関大学で登場する難問になります。この問題も遺伝の問題の総仕上げのようなもので、これを理解できれば下の理系向け発展内容に進んでよいでしょう。
理系向けの高校生物発展内容
植物の胚乳・種皮・さやの遺伝子型(未完成)
理系共通テスト以上で必須。
(準備中)
キメラマウスの遺伝の問題(未完成)
理系で必須。
(準備中)
集団遺伝:遺伝子頻度
理系で必須。
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教科書では、集団遺伝の単語ではなく、“遺伝子頻度”という単語のテーマになっています。遺伝子頻度自体はある集団における特定の遺伝子の頻度のことを指すだけですが、これが遺伝の問題になると次世代の遺伝子頻度を答えさせるようなものになります。ハーディー・ワインベルグの法則に従うのであれば遺伝子頻度は変わりませんが、“法則が成り立たない場合に次世代の遺伝子頻度がどう変化するのか”という問題が定番です。
このテーマの重要性はすごく高く、その理由は高校生物の教科書第5章、つまりセンター試験生物第5問における数少ない計算問題であるからと言うことができます。必ず解けるようになりましょう。
母性因子の関わる遺伝
理系で必須。令和5年度共通テストで登場。
(準備中)
追記_2023.04.18。
遺伝医学:保因者リスクの算出
理系におすすめ。知識として数学Aの『条件付き確率』が必要。
問題例:鹿児島大学2023、など。
(準備中)
追記_2023.08.13。
さまざまな遺伝
ここで紹介する内容は旧課程生物Ⅰの内容であり、現課程でほぼ扱われていません。しかし、大学によっては今でも出題されるところがあります。傾向を調べ、必要であれば対策することが望ましいでしょう。
不完全顕性
理系、看護系ともに志望大学による。
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対立遺伝子に優劣がない場合を、不完全顕性と呼びます。内容的には一遺伝子雑種なので、交配表をつくることは全然難しくなく、どちらかというと不完全顕性という語句を答える方が間違えやすい問題です。
致死遺伝子
理系、看護系ともに志望大学による。
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個体あるいは細胞を死にいたらしめる遺伝子のことを、特に致死遺伝子と呼びます。致死遺伝子も一遺伝子雑種なので、交配自体は難しくないです。ただ、設問にある設定を読み取らないといけないことには注意しましょう、“顕性ホモだと死ぬ”とかです。
補足遺伝子
理系、看護系ともに志望大学による。
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2種類の遺伝子がお互い補い合って1つの表現型を現すとき、これらの遺伝子を補足遺伝子と呼びます。旧課程生物Ⅰでは、二遺伝子雑種の応用として出題されることが多かったです。なお補足遺伝子とは、代謝の連続した反応に関わる遺伝子のことと考えてもよいと思います。
条件遺伝子
理系、看護系ともに志望大学による。
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ほかの遺伝子の存在が条件となってはたらく遺伝子のことを条件遺伝子と呼びます。旧課程生物Ⅰの遺伝の問題では、おおよそ二遺伝子雑種の応用として出題されていました。ちなみに条件遺伝子と補足遺伝子は見方によっては同じなので、間違えないように注意が必要です。
抑制遺伝子
理系、看護系ともに志望大学による。
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ある遺伝子がほかの遺伝子のはたらきを抑制する場合、その遺伝子を抑制遺伝子と呼びます。抑制遺伝子も、二遺伝子雑種の応用としてかつては出題されていました。ただ、抑制遺伝子の考え方は、現課程の高校生物でも考察問題などで必要になっています。
被覆遺伝子
理系、看護系ともに志望大学による。
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別の対立遺伝子の作用を被覆し、自身の表現型を発現する遺伝子のことを、被覆遺伝子と呼びます。被覆するので、ほかの遺伝子のはたらきを抑制するはたらきがあります。このテーマも、かつては二遺伝子雑種の応用として出題されていました。
同義遺伝子
理系、看護系ともに志望大学による。
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2種類あるいはそれ以上の遺伝子が同じ形質に対して同じ働きをもつ場合、これらの遺伝子のことを同義遺伝子と呼びます。つまり、単純に複数の遺伝子が同じ働きを持っているだけです。このテーマも、やはり二遺伝子雑種の交配の応用問題として出題される傾向が昔はありました。
相加遺伝子
理系、看護系ともに志望大学による。
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2組の対立遺伝子が同じ形質を支配するが、共存すると形質が加算される場合、これらの遺伝子のことを相加遺伝子と呼びます。旧課程生物Ⅰでは相加遺伝子はあまり見かけませんでしたが、参考書に載っていたのでここで紹介させていただきました。このテーマも、二遺伝子雑種の応用問題として出題されていました。
総括
どんな受験スタイルになるかによって勉強方法が異なる
遺伝の問題は、センター試験を受験する方にとってほぼ必須の学習内容です。しかし高校生は、中学生の時にメンデル遺伝を学んでいることになっているので、その発展内容の連鎖と独立から高校生物で習います。そんなかんじで生物初学者に厳しい扱いになっていますが、センター試験および二次試験では出題範囲となっています。基礎からやや発展の内容まで、解けるようになることが望ましいです。
なお、看護系の大学を受験する方も、遺伝の勉強はある程度しておいた方がよいでしょう。「生殖と発生」が出題範囲になっている場合、遺伝の問題が出題する傾向がある大学かもしれません。過去問を早めに見ての対策が必要となるでしょう。
学校でも勉強するなら問題集を買うべき!
「学校ではスマホが禁止されている、けれども学校でも遺伝の勉強をしたい!」という方は、以下の問題集を購入されることをおすすめします。遺伝の問題をかなり網羅的に、かつ丁寧な説明で扱っているので、この一冊でかなりの対策をすることができます。
おわりに
アンケートにご協力ください!
もっとご協力頂けるなら、アンケートページでお答えください。
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お役立ちの“まとめ記事”紹介
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