問題解説

「高校生物」連鎖・組換え価の計算・三点交雑・染色体地図の問題の解き方

今回は、「高校生物」の第4章“生殖と発生”に登場する連鎖組換え価の計算・三点交雑染色体地図の問題の解き方を紹介します。検定交雑の意味、組換え価の公式と計算方法、三点交雑による染色体地図の作り方を学びましょう。定番の問題をわかりやすく解説しています。なお、この問題のレベルに到達するには、メンデル遺伝の基礎が必要です。問題を解いてみて全くわからない場合は、まず参考書でメンデル遺伝の基礎を学ぶことをお勧めします。

追記:遺伝の基本レベルの解説記事もつくりました。下の記事は内部リンクをまとめたものになります。

「高校生物」遺伝の法則の問題の解き方|まとめ編(記事一覧)※2018年12月16日制作開始。2019年2月10日更新。 塾講師経験のある管理人が、受験生に向けて、どんな高校生物の遺伝の問題...

演習問題

まずは演習問題として、下のスライド1にある問題を解いてみましょう。標準解答時間は20分です。解けない場合は、すぐに解説を見て解き方を確認しましょう。

スライド1:連鎖・組換え価の計算・三点交雑・染色体地図の演習問題スライド1:連鎖・組換え価の計算・三点交雑・染色体地図の演習問題

問4だけヒントを書き足しておきました。問題の解き具合はどうだったでしょうか。難易度としては、学校の定期テストとしてはやや難しいですが、入試問題であれば標準レベルです。この問題を解けた人も解けなかった人も、下に続く解答と解説を確認してみましょう。

解答

下のスライド2が、解答になります。

スライド2:問題の解答スライド2:問題の解答

では、解説に移りましょう。

解説

問1:検定交雑の意味を覚えておこう

この問題は、知識問題です。“検定交雑”という単語を答えさせるだけの、単純な問題でした。

なお、検定交雑については、その意味と意義を覚えておくことをおすすめします。確認すると、下のスライド3のようになります。

スライド3:検定交雑の意味と意義スライド3:検定交雑の意味と意義

よくある誤解は、「検定交雑はF1を劣性ホモと交配すること」というものですが、これは違います。F1でなくとも、劣性ホモと交配することが検定交雑となります。

検定交雑の意味と意義(目的)は覚えておこう。記述問題で書くこともあります。

問2:組換え価の公式を覚えて使えるようになっておこう

この問題は、計算問題です。組換え価の公式を使って、それぞれの組換え価を計算するという問題でした。

まず、組換え価の公式を理解し覚えましょう。下のスライド4にあるまとめを確認してください。

スライド4:組換え価の公式と注意点スライド4:組換え価の公式と注意点

上のスライド4にあるように、組換え価の公式は、個体や配偶子の“”でも“割合”でも成り立ちます。今回の問題は、個体の分離比になるので、“割合”で公式を使うことになります。

表1において、組換えが起きた個体がどれなのかわからない人もいるでしょう。スライド4の※印に書いてあるように、分離比において数の小さい2つの個体が組換えを起こした個体です。なので、表1にそって確認すると、下の箇条書きにおいて赤文字にしているものが、組換えを起こした個体になります。

  • [AB]:[Ab]:[aB]:[ab]=3:11:3
  • [BD]:[Bd]:[bD]:[bd]=1:9:9:1
  • [AD]:[Ad]:[aD]:[ad]=3:17:17:3

このことがわかったら、あとは公式にあてはめるだけです。計算結果は、下のスライド5になります。

スライド5:組換え価の計算結果スライド5:組換え価の計算結果

改めて計算式の分数の部分を確認すると、分母は割合の数全て、分子は組換えを起こした個体の割合の総数、というようになっています。

なお、スライド5の計算式のように公式を組みなおすと、下のスライド6のようになります。

スライド6:組換え価の公式を文字式にした場合スライド6:組換え価の公式を文字式にした場合

スライド6の下の公式は、超難問の場合に使うことがあります。その使用例は、そのうち紹介したいと思います。上の公式は普通に使うので、そのまま覚えておくとよいでしょう。

組換え価の計算をできるようになるためには、組換えを起こした個体を判別できる力と、公式を使って計算できる力が必要である。

問3:染色体地図の作り方を練習しておこう

この問題は、作図の選択問題です。染色体地図の作り方を知っているかどうかで、解答できる可能性が大きく変わります。なので、ここで染色体地図の作り方を学びましょう。

3遺伝子の染色体地図をつくる方法は、至って簡単です。2遺伝子の組換え価を“距離”と捉えて、3つの遺伝子を配置すればよいだけです。ただし、組換えが起きているので、2本の染色体においてどちらに優性・劣性の遺伝子が配置されるのかを考慮する必要があります

では、この問3において、どのように捉えればよいか、確認しましょう。

スライド7:問3の染色体地図の作り方スライド7:問3の染色体地図の作り方

まずは、2遺伝子間の優性・劣性遺伝子の連鎖の状態と組換え価を確認します。表1をもう一度確認すると、以下の箇条書きだったはずです。組換えが起こったものの数値は、先ほどと同じく赤色にしています。

  • [AB]:[Ab]:[aB]:[ab]=3:11:3
  • [BD]:[Bd]:[bD]:[bd]=1:9:9:1
  • [AD]:[Ad]:[aD]:[ad]=3:17:17:3

この分離比になった個体の親であるF1は、交配した個体が劣性のホモ接合体なので、上の箇条書きをそのまま配偶子の分離比と捉えることができます。なので、それぞれの2遺伝子において、黄色のハイライトのペアが、組換えが起こらなかった連鎖しているペアであると捉えることができます。慣れた場合は、単純に分離比が大きいほうが連鎖していると判断してもよいです。

2遺伝子での連鎖がわかったら、あとは組換え価を距離と捉えて、3遺伝子の染色体地図をつくります。これは単純にパズルを解くだけで結構です。

スライド7における①と②の手順を踏めば、染色体地図の完成です。ちなみにこの問3における染色体地図は3遺伝子が同一染色体上にあるケースであり、3遺伝子が連鎖と独立の関係にあるパターンは問4になります。

問3のような、3つの遺伝子間の組換え価を求める方法は、“三点交雑”と呼ばれます。三点交雑の方法は、3対の遺伝子のヘテロ接合体(AaBbDd)をつくって、この個体を劣性のホモ接合体(aabbdd)と交配する、というものです。その結果、得られた個体の表現型の分離比を組換え価の公式に当てはめれば、簡単に2遺伝子の組換え価を求めることができます。

同一染色体上に存在する3遺伝子の染色体地図をつくるためには、2遺伝子の連鎖の状態と組換え価を確認するとよい。

問4:連鎖なのか独立なのかを組換え価から見極めよう

この問題は、作図問題です。染色体地図をつくることは問3と変わりませんが、問4の場合は後述するように連鎖している遺伝子と独立している遺伝子があります。なので、問3とは少し違う考え方になるので、合わせて練習してみましょう。

染色体地図をつくるための手順は、改めて書くと次の通りです。

  1. 表現型の分離比をもとに組換え価を計算する。
  2. 組換え価をもとに染色体地図をつくる。

なので、まずはそれぞれの遺伝子の組み合わせにおける組換え価を計算してみましょう。計算結果は、下のスライド8のようになります。

スライド8:問4の組換え価の計算結果スライド8:問4の組換え価の計算結果

スライド8の右端に書いた通り、2遺伝子の組み合わせで独立関係のものと連鎖関係のものがあります。なお、2遺伝子が独立していることは、組換え価が50%ちょうどであることからわかります。また、B(b)とD(d)の連鎖については、表現型の分離比が[Bd]と[bD]で高いことから、F1の体細胞でBとd、bとDが連鎖していることがわかります

このことから、次のスライド9のような手順で作図を進めることができます。

スライド9:問4の染色体地図の作り方スライド9:問4の染色体地図の作り方

あとは解答例に沿って、スライド9の③を〇で囲めば、解答例に合った解答となります。なお、作図で大事なのは連鎖と独立の関係の3遺伝子を作図できているかどうかであり、2本ある染色体の左右が入れ替わっても全く問題はありません。

染色体地図をつくるときは、必ず組換え価を求めておくこと。また、組換え価が50%のとき、その2遺伝子は独立の関係にあると覚えておくとよい。

総括

染色体地図の作成の問題では、組換え価の計算が必須です。なので、組換え価の公式をしっかり覚えておいて、さらにその使い方を知っている必要があります。また、遺伝子が連鎖しているのか、それとも独立しているのかを判断できる能力も必要だと言えるでしょう。今回の記事で基本的な考え方はわかったと思うので、今後の勉強に活かしてほしいと思います。

なお、今回は問4で染色体地図を描かせましたが、実際の入試問題でも描くことを求められる場合もあります。なので、作図のスキルを身につけることもやはり必要だと言えるでしょう。一歩一歩頑張っていきましょう。

遺伝の問題のまとめ記事

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