この記事では、高校生物の第3章「遺伝情報の発現」に登場する“原核細胞の転写と翻訳の図の問題”について解説を行っています。日常学習のお役に立てたら幸いです。
問題
では、まず問題を解いてみましょう。下のスライドが問題用紙になります。標準解答時間は10分です。10分経っても解けなかった場合は、解答と解説を見ましょう。
問題を解くことはできたでしょうか。かなり基本的な問題なので、解けなかった場合は以下の解説を読んで必ず解けるようになりましょう。
解答
解答は、次のスライド2の通りです。
問4の設定は、解答①と②の2つだけでよかったかもしれません。スプライシングは、真核細胞で転写と翻訳の間に起こる現象ですからね…。
解説
問1.決して不親切な図ではなく、標準です!
この問題は、知識問題&図の読み取り問題です。原核細胞の転写と翻訳の図について、それぞれの物質名を答える問題でした。
先に答えを確認すると、下のスライド3のようになります。
基本なので確認しておきますが、原核細胞では転写と翻訳が細胞質基質で同時に起こるという特徴があります。真核細胞の場合、転写とスプライシングは核内、翻訳は細胞質基質で行われます。
では、スライド3のように各物質の名称を読み取る方法ですが、簡単にまとめると次のようになります。
- RNAポリメラーゼは、DNAに結合して転写を進めている。
- mRNAは、RNAポリメラーゼから伸びている。
- リボソームは、mRNAに多数結合している。
- ポリペプチドは、リボソームから伸びている。
要点としては、原核細胞では転写と翻訳が連続かつ同時に起きていること、RNAポリメラーゼが転写を行うこと、リボソームが翻訳を行うことの3点を理解しておけば、わざわざ図を暗記する必要なく解答することができるようになります。
原核細胞の転写と翻訳の図において、各物質の名称を答えることができるようになっておこう!
問2.転写の方向は、mRNAの長さをもとに考える!
この問題は、知識問題&図の読み取り問題です。原核細胞で連続的に起きている転写において、転写の方向性を図から読み取る問題でした。
この問題を解くポイントは、『各RNAポリメラーゼから伸びているmRNAの長さ』になります。mRNAが長く伸びているRNAポリメラーゼの方が、転写が進んでいます。図で示すと、次のスライド4のようになります。
RNAポリメラーゼから伸びているmRNAの長さを比較することで、転写の方向を読み取ることができるようになろう!
問3.翻訳の方向は、ポリペプチドの長さをもとに考える!
この問題は、知識問題&図の読み取り問題です。原核細胞で連続的に起きている翻訳において、翻訳の方向性を図から読み取る問題でした。
この問題を解くポイントは、『各リボソームから伸びているポリペプチドの長さ』になります。ポリペプチドが長く伸びているリボソームの方が、翻訳が進んでいます。図で示すと、次のスライド5のようになります。
ポリペプチドの長さを比較することで、翻訳の方向性を答えることができるようになろう!
問4.原核or真核細胞の転写と翻訳の違いを覚えておこう!
この問題は、知識問題&記述問題です。
(準備中)
問2・3補足:Youtubeでわかりやすい動画がある!
Youtubeで動画を探したら、原核細胞の転写と翻訳のイメージとしてわかりやすいものがありました。inouebiology1氏がアップロードしている動画で、下にリンクを貼っておきます。一度見てみると、理解が深まると思います。
総括
原核細胞の転写と翻訳は教科書でも1ページほどしか割かれておらず、日常学習では印象が残りにくいです。しかし、多くの問題集には記載があり、定期テストや大学入試でも登場します。今回紹介した問題については、このテーマの基本問題なので、必ず解くことができるようになりましょう。
また、転写・翻訳の方向性を理解するためには、頭の中ででイメージできることが望ましいです。脳内イメージがなかなかできない方は、上のYoutube動画をもとに理解を深めるとよいでしょう。
おわりに
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