今回は、「生物基礎」の予備学習に登場する光学顕微鏡の部位の名前・操作・倍率の問題の解き方を紹介します。演習問題を用意しているので、解いてみてテスト対策をしましょう。解説もわかりやすく努めているので、是非学んでください。
演習問題
では、まず問題を解いてみましょう。下のスライド1が問題用紙になります。標準解答時間は15分です。15分経っても解けなかった場合は、解答と解説を見ましょう。
解き具合はどうだったでしょうか。管理人の主観としては、生物基礎を単純にやり終えただけなら、
- 問1は、ほぼミスがない。
- 問2、問3、問5、問6は、迷うが答えることができる。
- 問4は文章力を磨けていないので完答できない。
- 問7は、間違える。
というような具合ではないだろうかと思います。もし専門学校や大学の入試に挑むのであれば、さらに解答力は鍛えた方がよいです。以下の解答と解説を見て、改めて学んでみてください。
解答
解答は下のスライド2にまとめました。確認してみましょう。
解説
問1.顕微鏡の部位の名前は覚えるだけ!
この問題は知識問題です。単純に顕微鏡の部位の名前を答えるだけになります。
特筆して解説することはありません。部位の名前は多いですが、覚えるだけで点が取れるので、必ず覚えておきましょう。
覚えるだけで点が取れるものに関しては、努力してしっかり覚えよう!
問2.頭の中でほこりを落としてみよう!
この問題は知識問題or考察問題です。知識として知っておきべきことですが、その際は“ほこりを落とすことをイメージする”のがよいと思います。
イメージ図は、下のスライド3のようになります。
レンズとレンズの間にゴミなどのほこりがあることは望ましくありません。管理人は顕微鏡の本格的な原理に詳しくないので想像ですが、ゴミがあることは単純にゴミが見えるようになるだけでなく光の屈折にも関わってしまう問題なんだと思います。なので、鏡筒の中にゴミが入っても問題がないようにしなければなりません。
よって、上からかぶせた後に下をふさぐことがよいでしょう。つまり、接眼レンズを先につけて、次に対物レンズをつけるという具合になります。
知識の吸収はの種類には、単純に覚えるだけのものだけではなく考えの道筋を覚えておけばよいだけのものもある!
問3.操作手順は完璧に説明できるようになるのが望ましい
この問題は知識問題兼実験問題です。顕微鏡の操作の手順を知識として覚えておくことも必要ですが、授業の実験などで実際に扱ったことがあるかどうかも解答率を高める要素になると思われます。
手順についてはしっかり復習をしてほしいので、下のスライド4にまとめました。参考にしてください。
なお、操作で注意しなければならない点は、以下の通りです。
- 水平な台に置くこと。顕微鏡がすべり落ちないようにするため。
- 顕微鏡を直射日光が当たるところには置かない。反射鏡で日光を光源にした場合、失明の危険があるため。
- ピントを合わせるときには、対物レンズとプレパラートが接触しないように注意しなければならない。対物レンズに傷をつけないため。
- “焦点深度が深い”とは、ピントの合う高さの幅が広いことを指す。
- 平面鏡よりも凸面鏡の方が光を集めることができる。パラボナアンテナと考え方は同じ。
操作手順の並び替え問題は頻出テーマなので、顕微鏡の使い方をしっかり覚えておこう!
問4.完答するのではなく部分点を狙っていこう!
この問題は知識問題です。“80文字”という単語に臆したかもしれませんが、実際の解答では67文字で答えています。長文に慣れないうちは部分点を狙って、書ける範囲のキーワードで書くことが大事だと言えるでしょう。
改めて答えを書いておきます。
側方から見ながらプレパラートと対物レンズを近づけ、次に接眼レンズをのぞきながらそれらを遠ざけるように調節ねじをまわしてピントを合わせる。
管理人の主観では、この問題の満点は5点とします。そして、次のようにキーワードを分けて、それらが適切に文に収まっていることで採点をします。
- 側方から見ながら
- プレパラートと対物レンズを近づけ
- 接眼レンズを除きながら
- プレパラートと対物レンズを遠ざけるように
- 調節ねじをまわしてピントを合わせる
これらの文言がそろって80文字以内ならば5点満点です。いずれかが欠けた場合は、その分減点します。なお、ピントの合わせ方の基本的な考えは、「接眼レンズを見ながらピントを合わせているときに対物レンズをプレパラートにぶつけない」ことです。
論述問題での完答は難しい。慣れないうちは部分点を狙っていこう!
問5.像を動かしたいときは、プレパラートを逆に動かす!
この問題は知識問題です。“視野で見えている像を動かしたいとき、その方向とは逆にプレパラートを動かす”ことを知っているかどうかが試されています。
顕微鏡で観察を行うとき、視野で見えているものは左右上下逆に見えています。なので例を挙げると、
- 見えている像を視野中で左に動かしたいならば、プレパラートを右に動かす。
- 見えている像を視野中で上に動かしたいならば、プレパラートを下に動かす。
という操作になります。詳しくは、実際に光学顕微鏡を使って像の観察をしてみた方が実体験として理解しやすいでしょう。是非とも理科室で顕微鏡を使ってみましょう。
視野で見えている像を動かしたい方向とプレパラートを動かす向きは逆である。
問6.しぼりの操作の効果を覚えておこう!
この問題は知識問題です。しぼりの操作とその効果を知っておくだけでよい問題でした。
しぼりに関しては覚えるしかないので、下に箇条書きにしておきます。
- しぼりを絞ると、より明瞭になるが暗くなる。焦点深度は深くなり、ピントの合う幅は広くなる。
- しぼりを緩めると、明瞭でなくなるが明るくなる。焦点深度は浅くなり、ピントの合う幅は狭くなる。
しぼりと似た原理のような気がするので、雑学を1つ紹介しておきます。視力がよくない人にとって眼鏡がないことは致命的です。ぼやけた視野で行動することは非常に危ないでしょう。このときは、見えている視野を非常に狭くすると物が少しだけはっきり見えるようになります。握ったこぶしを少しだけ緩めて、その隙間から物を見ると、わずかにはっきり見えるのです。ちなみに管理人がこのことを知ったのは、大学時代の登山サークルの勉強会のときであり、登山のときに眼鏡を紛失した場合の対処法として教えてもらいました。
問7.倍率変化と視野の広さは典型的な難題!
この問題は考察問題and計算問題です。考え方が難しいので、解き方を知っておくべき問題だと言えるでしょう。
問題文に沿って倍率を10倍から40倍にすると、視野の一辺は4分の1になるので、視野全体としては16分の1になります。このことをわかりやすく図にしたのが、下のスライド5になります。
倍率の変化での視野の広さについてまとめると、
- 高い倍率に変化したとき、視野の一辺の長さは倍率の変化分小さくなり、視野の広さは倍率の変化分の二乗小さくなる。
- 低い倍率に変化したとき、視野の一辺の長さは倍率の変化分大きくなり、視野の広さは倍率の変化分の二乗大きくなる。
というようになります。
倍率が変化したときの視野の広さが問われる問題は、早めに慣れておこう。暗記ではなく考え方を理解して解けるようになることが望ましい。
総括
顕微鏡の問題は、定期テストでは頻出テーマです。おそらく、生物基礎を学ぶ高校1年生が1学期の中間テストの対策のために勉強するのではないかと思います。顕微鏡に関する問題は他にミクロメーターの計算問題もあります。内部リンクを置いておきますので、参考にしてください。
模試やセンター試験でも、顕微鏡の問題はよく見受けられます。センター試験なら、操作手順の並び替え、倍率を変えたときの視野の広さがどうなるか、ミクロメーターを使った計算などが出やすいでしょう。模試ならば、問4の論述問題のようなものも出るでしょう。しっかりと復習しておきたいテーマなので、忘れたなと思ったときは勉強しなおすようにしましょう。
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以上でこの記事は終わりです。ご視聴ありがとうございました。
すごく分かりやすかったです。
とても役に立ちました。
ありがとうございました。
@テスト民様
コメントありがとうございます。
お役に立てて、とても嬉しいです!
テスト勉強をぜひ頑張ってください!
これからも高校生物の学び舎をよろしくお願い致します。
管理人シカマルより