第1章「生物の特徴」

「高校生物基礎」カタラーゼと酸化マンガン(Ⅳ)の実験問題の解き方

今回は、「生物基礎」の第1章“生物の特徴”に登場するカタラーゼの実験問題の解き方を紹介します。演習問題を用意しているので、解いてみてテスト対策をしましょう。解説もわかりやすく努めているので、是非学んでください。

演習問題

では、まず問題を解いてみましょう。下のスライド1が問題用紙になります。標準解答時間は10分です。10分経っても解けなかった場合は、解答と解説を見ましょう。

スライド1:カタラーゼの実験の演習問題スライド1:カタラーゼの実験の演習問題

解き具合はどうだったでしょうか。問5までは簡単で、問6~8で少し悩み、問9がわからなかったのではないかと思います。さっそく解答と解説を確認しましょう。

解答

解答は、下のスライド2のようになります。

スライド2:カタラーゼの実験問題の解答スライド2:カタラーゼの実験問題の解答

解説

問1.触媒の意味も説明できるようになっておこう!

この問題は知識問題です。単純に“触媒”という語句を答えるだけでした。

今回は語句を答えるだけでしたが、触媒の意味を説明させる問題もあります。なので、触媒の意味を論述できるようになっておくことが望ましいでしょう。

触媒とは、化学反応を促進し、反応の前後で自身は変化しない物質である。

問2.生体内の触媒なら酵素と答える!

この問題は知識問題です。問1と同じく語句を答えるだけの問題でした。

生物基礎・生物で、触媒は2つ登場します。その2つとは、

  • 生体内の触媒:酵素のこと。(生体触媒と呼ぶ場合もある)
  • 無機物の触媒:無機触媒と呼ぶ。

になります。ちなみにカタラーゼの実験では、カタラーゼは酵素であり、酸化マンガン(Ⅳ)は無機触媒です。

生体内の触媒のことを酵素(または生体触媒)と呼び、無機物の触媒のことを無機触媒と呼ぶ。

問3.酵素の主成分はタンパク質!

この問題は知識問題です。問1、問2と同じく、語句を答えるだけでした。

酵素の主成分はタンパク質です。タンパク質は遺伝情報をもとにつくられるので、同じく酵素も遺伝情報をもとにつくられます。タンパク質がどのようにできるかについては、生物基礎なら第2章“遺伝子とその働き”で出てくる“転写と翻訳”で学ぶことになります。センター試験や大学入試で生物基礎を使う人は、合わせて勉強しておいた方が複合問題に対応しやすいくなるでしょう。なお、高校生物では生物基礎よりももっと詳しく“転写と翻訳”を学ぶことになります。

酵素の主成分はタンパク質である。なので、酵素も遺伝情報をもとに転写と翻訳を経て合成される。

問4.H2O2を分解する酵素はカタラーゼ!

この問題は知識問題です。問1からずっと知識問題が続いています。

カタラーゼは、“過酸化水素(H2O2)を分解して水と酸素を生じる化学反応”を促進する酵素です。詳しい化学反応は、問5で確認しましょう。

カタラーゼは過酸化水素(H2O2)を分解する。

問5.過酸化水素の分解の化学反応式は書けるようになろう

この問題は知識問題です。過酸化水素が分解して水と酸素が生じる化学反応式を書くだけです。

化学反応式を書けと言われているからには、化学反応式のルールを守る必要があります。つまり、反応の前後での原子の数を合わせることが必要になります。答える化学反応式として謝った例と正しいものを下のスライド3に載せておきました。

スライド3:化学反応の前後で原子の数を合わせるスライド3:化学反応の前後で原子の数を合わせる

反応の前後で原子の数を合わせる化学反応式のルールは、化学基礎で学ぶことになります。係数を知る方法として未定計数法がありますが、これは練習しないと扱いが難しいです。なので、簡単な化学反応式の分子の係数は、はじめは覚えたほうがよいかもしれません。

なお、化学基礎で化学反応式を学ぶ前に生物基礎で過酸化水素の分解反応を学ぶため、次のような日本語での反応式が教科書に書いてあります。

  • 過酸化水素 → 水 + 酸素

問題によってはこれでも正答になります。ただ、今回の問題では、わざと化学反応式を答えることができるかどうかを試させてもらいました。特に、生物基礎と化学基礎の両方を学んだ人は、日本語での反応式ではなく、ちゃんとした化学反応式を書けるようになっておいたほうがよいでしょう。

過酸化水素の分解反応は、日本語での反応式で答えてよい場合と、ちゃんとした化学反応式で答えなければならない場合がある。なので、化学反応式も書けるようになっておいた方がよい。

問6.「過酸化水素水+機能する触媒」を選ぶ!

この問題は知識問題兼考察問題です。気体が発生するとは化学反応が起きたことを指します。発生した気体は、問5の化学反応式を見ると酸素であることがわかります。なお、問6では過酸化水素水に触媒が含まれればよいのですが、いくつかの前提知識も必要です。

前提知識をまずは紹介しましょう。今回の場合、次の4つを知っておく必要があります。

  • 生の肝臓片には、カタラーゼが含まれる。
  • 過酸化水素水は、単独では分解反応は起きない
  • 酵素は、加熱すると触媒の機能を失う。(失活
  • 無機触媒は、加熱しても触媒の機能を失わない

これらのことから、次のようなケースで過酸化水素の分解反応が起こると考えられます。

  • 過酸化水素水+生の肝臓片(E)
  • 過酸化水素水+無機触媒(F)
  • 過酸化水素水+加熱した無機触媒(H)

これらが当てはまるものが、今回の解答になります。ちなみにまとめると、下のスライド4のようになります。

スライド4:それぞれの試験管での反応の有無スライド4:それぞれの試験管での反応の有無

過酸化水素が分解して気体(酸素)が発生する実験は、過酸化水素水の中に機能する触媒が入った場合のみである。

問7.過酸化水素が残っているもので生の肝臓片は反応する

この問題は考察問題です。気体の発生が終わるまで待ったあとのA~Hの試験管に、新たに生の肝臓片を入れた場合に気体の発生が起こるものを選びます。つまり、過酸化水素が残っている試験管を選ぶことになります。

過酸化水素水が入っていた試験管は、D~Hです。これらのうちE・F・Hについては、問7で気体が発生する試験管として選びました。E・F・Hの試験管では酵素または無機触媒によって過酸化水素の分解反応が進みます。しかも、触媒自体は化学反応の前後で変化しないため、過酸化水素がすべて分解されるまで、気体の発生が起きます。つまり、気体の発生が終わったあとのE・F・Hについては、試験管の中に過酸化水素は残っていないのです。

過酸化水素の分解反応が起こらず過酸化水素が残っていたDとGでは、生の肝臓片、つまりカタラーゼを加えることによって、気体の発生が起こります。よって、DとGが答えとなります。

気体発生終了後に生の肝臓片、つまりカタラーゼを加えて気体の発生が起こるのは、過酸化水素が残っている試験管である。

問8.機能する触媒があれば追加の過酸化水素水で反応する

この問題は考察問題です。気体の発生が終わるまで待ったあとのA~Hの試験管に、新たに過酸化水素水を入れた場合に気体の発生が起こるものを選びます。つまり、機能する触媒がある試験管を選ぶことになります。

今回の問題での“機能する触媒”とは、問6で紹介したように次のものになります。

  • 加熱していない酵素
  • 無機触媒(加熱の有無に関わらず触媒として機能する)

よって、生の肝臓片あるいは酸化マンガン(Ⅳ)が入っているものを選びます。よって、B・C・E・F・Hになります。

気体発生終了後に過酸化水素水を加えた場合に期待の発生が起こるのは、機能する触媒が入っている試験管である。

問9.表面積が大きくなると働く触媒の量が増える

(準備中)

総括

カタラーゼと酸化マンガン(Ⅳ)の実験は、非常に基礎的な問題です。解き方さえ学んでしまえば、次は解けるようになるでしょう。なお、この実験が大事なのは、生物基礎・生物を学ぶうえで最初の対照実験であることです。例えば、

  • 過酸化水素水に生の肝臓片を入れると気体が発生する。
  • 過酸化水素水に煮沸した肝臓片を入れると気体は発生しない。

となっている場合、結果に差が出た理由は肝臓片を煮沸したことだと考えることができます。このように、対照実験は結果の考察をするうえで非常に大事なのです。

定期テストではあまり見かけないかもしれませんが、センター試験や大学入試では考察問題は頻出です。そのときに、このような対照実験での考察方法をよく使います。研究をするうえでも、実験でうまくいかない場合にやりなおすときは、基本的に1つしか条件を変えません。対照実験は、すごく大事なのです。

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