第1章「生物の特徴」 PR

「生物基礎教科書解説」原核細胞と真核生物の細胞の構造

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

この記事では、生物基礎版での細胞の基礎知識を踏まえたうえで、原核細胞と真核細胞の構造について教科書をもとに解説します。重要単語は赤文字にしているので、そこは必ず覚えましょう。また、定期テストのポイントも加えて書いているので、自分の生物基礎ノートと見比べてみるとよいでしょう。

細胞とはなにか?

細胞はすべての生物でみられる生物の基本的な構造です。細胞という言葉の定義は、岩波生物学辞典(第5版)では次のようになっています。

細胞膜に囲まれ、原則的には内部に1個のをもつ生体の構造的かつ機能的単位。

この定義をもとに、細胞がどのようなものか紐解いていきましょう。

核をもつ細胞ともたない細胞

上述の定義に沿った核をもつ細胞のことを、真核細胞と呼び、真核細胞で構成される生物を真核生物と呼びます。対して、核を持たない細胞を原核細胞と呼び、原核細胞でなる生物を原核生物と呼びます。図で表すと、以下のような違いがあります。

真核細胞の階層構造の違い(簡易版)真核細胞の階層構造の違い(簡易版)

実際には他にも違いがありますが、それは真核細胞と原核細胞の特徴を踏まえながらおさえていきましょう。

真核細胞でも核をもたない場合があります。高校生物基礎では、ヒトの赤血球がその例として登場します。ヒトの赤血球は核をもたないことで変形しやすくなっており、狭い毛細血管の中を通ることができます。真核細胞の生存には原則的に核が必須ですが、このような例外も見受けられます。

原核細胞の特徴

原核細胞は、細胞膜に包まれており、さらにその外側は細胞壁で覆われています。細胞膜内部は液体状で、その部分は細胞質基質と呼びます。細胞質基質には遺伝物質を含む染色体がむきだしとなって存在するほか、さまざまな物質が溶けて存在します。細胞の表面には突起があり、短くて多数ある突起は線毛と呼び、対して長くて1~2本ある突起はべん毛と呼びます。下の図は、原核細胞のイメージになります。

原核細胞のイメージ原核細胞のイメージ

原核細胞からなる生物を原核生物と呼びます。原核生物は必ず単細胞生物(からだが1つの細胞だけでなる)であることが1つの特徴です。原核生物として、以下のような生物がいます。

  • 腸内細菌の代表例である大腸菌
  • 乳酸発酵を行う乳酸菌
  • 光合成を行うことができるシアノバクテリア

シアノバクテリアは光合成を行うことができますが、葉緑体を持っていません。しかし、光合成色素としてクロロフィルaという物質を持っています。これが、シアノバクテリアが光合成をできる要素となっています。

原核生物の名前を答えさせるような問題は、定期テストや入試問題でも見受けられます。生物基礎では、最低限下の図にある原核生物を覚えておくとよいでしょう。それぞれの生物の名前については今はよくわからないかもしれませんが、生物基礎を一通りやるとわかるようになっているはずです。

代表的な原核生物のまとめ代表的な原核生物のまとめ

「~菌」という生物は、基本的には原核生物に属します。しかし、酵母菌は真核生物ですので、これだけは注意してください。ひっかけ問題として、よく見られます。

真核細胞の特徴

生物基礎で学ぶ真核細胞の特徴は、簡素なものになっています。詳細については高校生物で学びますが、生物基礎しか必要のない文系は詳細を学ぶ必要はありません。

高校生物版の真核細胞の特徴

生物基礎では、真核細胞の代表として動物細胞と植物細胞を学びます。不親切ではありますが、先に“高校生物”版の図を紹介します。さらっと見るだけでいいです。

まず、高校生物版の動物細胞の図です。

高校生物版の動物細胞の断面図高校生物版の動物細胞の断面図

次に、高校生物版の植物細胞の図です。

高校生物版の植物細胞の断面図高校生物版の植物細胞の断面図

動物細胞と植物細胞の中にはいくつか形のあるものがありますが、一応名前を紹介しておくと次のようになります。

ここから、生物基礎で学ぶ範囲の情報に限定していきます。

生物基礎で覚えなければならない真核細胞の特徴

動物細胞と植物細胞の構造

まずは、生物基礎の動物細胞と植物細胞の図を紹介します。

生物基礎での動物細胞と植物細胞の断面図生物基礎での動物細胞と植物細胞の断面図

絵が汚くて伝わりにくいかもしれませんが、生物基礎の方はこのような非常にシンプルな図を覚えれば問題ありません。動物細胞には核、ミトコンドリア、細胞質基質、細胞膜があり、加えて植物細胞には葉緑体、液胞、細胞壁があります。この動物細胞と植物細胞の違いは覚えておきましょう

細胞内構造物の特徴

では、動物細胞と植物細胞の中に何があるのかがわかった段階で、細胞の中にある構造物のはたらきを覚えましょう。

細胞内構造物の特徴①細胞内構造物の特徴①
細胞内構造物の特徴②細胞内構造物の特徴②

上記の核、葉緑体、ミトコンドリア、液胞のような、細胞の中ではたらきのある構造物のことを、特に細胞小器官と呼びます。

細胞内構造物の有無のテストパターン

原核細胞・動物細胞・植物細胞での細胞内構造物の有無が定期テストに登場します。まとめると以下の表のようになります。

細胞内構造物の有無の表細胞内構造物の有無の表

上の表の空白バージョンも下に入れておきます。(JPEG画像です。)

細胞内構造物の有無の表(空欄版)細胞内構造物の有無の表(空欄版)

いろいろな細胞の大きさ

下の内部記事にまとめているので、それを参考にしてください。

「高校生物基礎」暗記必須の数値一覧(共通テスト相当&PDF有)この記事では、高校生物基礎で必ず覚えておきたい数値をまとめました! レベルとしては、共通テスト(旧センター試験)程度を意識していま...

今回はこれで終わりです。ご視聴ありがとうございました。

関連記事

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です