問題解説

「高校生物基礎」河川の自然浄化のグラフの問題の解き方を解説

今回は、「生物基礎」の第5章“生態系とその保全”に登場する河川の自然浄化のグラフの問題を紹介します。演習問題をもとにポイントを解説をしているので、初めての人もわからない人も是非練習してみましょう。

演習問題

まずは演習問題として、下のスライド1にある問題を解いてみましょう。標準解答時間は10分です。解けない場合は、すぐに解説を見て解き方を確認しましょう。

スライド1:河川の自然浄化のグラフの問題スライド1:河川の自然浄化のグラフの問題

解いてみてどうでしたか。基本的な問題なので、他の記事に比べれば簡単だったかもしれません。解けた人も解けなかった人も、解答と解説を見て確認してみましょう。

解答

問1.A:(b)、B:(a)、C:(c)

問2.D:(c)、E:(a)、F:(b)、G:(d)

問3.硝酸菌、亜硝酸菌

問4.指標生物

解説

問1.グラフの読み取り:「物質の濃度」編

この問題は知識問題andグラフの読み取り問題です。

まず、知識として知っておくべき部分を紹介します。

  1. 汚水流入地点からすぐ下流では、NH4濃度が高くなる。これは、有機物が細菌によって分解されたときにNH4が生じるからである。
  2. NH4は、硝化菌のエネルギー源となる。NH4が硝化菌によって消費されると、NO3が生じる
  3. NO3は、植物プランクトンのエネルギーとして利用される

この知識を活かすと、下のスライド2のようにまとめることができます。

スライド2:河川をイメージする:「濃度」編スライド2:河川をイメージする:「濃度」編

あとは、この順番で濃度が高くなっているグラフを読み取って解答するだけになります。

有機物が細菌によって分解されたときにNH4が生じる」ことと「NH4が硝化菌によって消費されると、NO3が生じる」は、窒素循環のところで学ぶことになっています。もし知らなかった方は、教科書の窒素循環の図を見てみるとよいでしょう。

問2.グラフの読み取り:「個体数」編

この問題は知識問題andグラフの読み取り問題です。生態系の個体数のバランスの考察と問1の解答が必要でした。

生態系の個体数のバランスを最もわかりやすい形で示すと、次のスライド3のようになります。

スライド3:生態系の個体数のバランスの例スライド3:生態系の個体数のバランスの例

「河川のすぐ下流で細菌が有機物をエネルギー源にして大量に繁殖していること」は、問1を解く過程で判断できます。そして、それと同時に増殖をするのは、捕食者である原生生物(ゾウリムシなど)であると判断するのです。(スライド3にあるように、被食者Dの個体数の減少につれて、捕食者Eの個体数も減少しています。)

スライド4:原生生物は細菌を捕食して増殖するスライド4:原生生物は細菌を捕食して増殖する

次に、Fが植物プランクトンであることについてですが、これは知識になります。河川の自然浄化と植物プランクトンの関係については、次のことをおさえておきましょう。

  • 汚水流入地点からすぐ下流では、植物プランクトンは減少する。これは、有機物の流入による最近の増加で水の透明度が低下することで、水中にあまり光が届かなくなるからである。
  • その後は、「濃度」のグラフの溶存酸素と同じようなグラフで、植物プランクトンの個体数は増加する。

最後のGが清水性生物であることは、「下流部分では水質が改善されたことで、水のきれいな生物が生息するようになった」と判断することになります。

問3.硝化に関わる細菌を答えよう!

この問題は知識問題です。硝化に関わる細菌の名称を答えればよいだけでした。

“硝化”では、NH4が硝化菌(硝酸菌と亜硝酸菌)の働きによって酸化され、NO3に変えられることです。硝化菌は、この際に放出されるエネルギーを利用して生きています。

亜硝酸菌と硝酸菌の酸化の流れは、次のようになっているので覚えておきましょう。

  • 亜硝酸菌:NH4⇒NO2
  • 硝酸菌:NO2-⇒NO3

今回の問題とはあまり関係がありませんが、NO2とNO3のどちらが最終産物だったか覚えられない方がいると思います。そんな場合は、より酸化が進んでいる、つまり酸素が多く結合しているNO3が最終産物だと覚えておきましょう。

問4.教科書に記載はないが覚えておこう!

この問題は知識問題です。ただ単語を答えればよいだけでした。

とは言っても、これを答えることができた方は少ないと思います。教科書には記載がなく、載っているのは資料集だからです。しかし、特段難しい単語でもないので、覚えておいて損はないと思います。

改めて定義を紹介すると、次のようになります。

河川や湖沼の水中に生息する生物の種類を調べると、水質の汚染の程度を調べることができる。その基準となる生物を指標生物といい、汚染の程度によって下の表のように4つに分けることができる。

きれいな水域サワガニ、プラナリア、ヒラタカゲロウ
やや汚れている水域ヒラタドロムシ、スジエビ
汚れている水域シマイシビル、タニシ
非常に汚れている水域イトミミズ、サカマキガイ、センジュユスリカ

※出典:六訂版スクエア最新図説生物neo p.272

さすがに生物の種類までは覚えておかなくてもよいと思います。生物名を扱う問題の出方としては考察問題になるのではないでしょうか。

総括

この問題は基本的な典型問題なので、解き方さえ知っていればそんなに難しくはありません。管理人がオススメする学校専売問題集のリードαやセミナーにも、基本問題として登場しています。しかし、教科書自体には記載のあるものとないものがあるので、注意が必要です。管理人が調べたところ、

  • 記載がある:第一学習社、実教出版、啓林館
  • 記載がない数研出版東京書籍

となっていました。もし記載のない教科書を持っていたら、手持ちの参考書・資料集などで確認することをお勧めします。

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